船釣り用のカウンター付きリールを探すと、同じダイワの中だけで1万円台から3万円台までが並びます。しかもどれも「ライトゲーム」という名前が付いていて、値段の差が何の差なのか分かりにくいところです。
迷うのは当然だと思います。公式スペックを横に並べると、ベアリングの数も最大ドラグ力も、ほとんど同じ数値が続くからです。
結論から書きます。ライトゲームX IC 150-DH(右ハンドル)/150L-DH(左ハンドル)は、ベアリング5個/ローラー1個・最大ドラグ力5kg・ギア比6.3という主要な数値を上位機と共有したまま、メーカー希望本体価格16,800円(税抜)に収まっているモデルです。タチウオやタイラバのように「今どの水深にいるか」を把握したい釣りの1台目としては、数値の上で不足がありません。逆に、PE3号以上を巻きたい人や、電池を自分で交換したい人には向きません。

ダイワ ライトゲームX IC 150-DH
ベアリング5/1・最大ドラグ5kg・ギア比6.3は上位機と同じ数値です。左手で竿を持ち、右手で巻く人はこちらを選びます。
ダイワ ライトゲームX IC 150L-DH
スペックは150-DHと同じ230g・16,800円(税抜)。右手で竿を持ち、左手で巻く人はこちらです。筆者が使っているのもこの左ハンドルです。
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
ライトゲームX IC 150-DH/150L-DH の基本スペック
ライトゲームX IC は、ダイワの船用ベイトリールです。スプールから出た道糸の長さを数字で表示するICカウンターを搭載しています。品番の「L」は左ハンドル(Lが付かない150-DHは右ハンドル)、「DH」はダブルハンドル(丸いノブが左右に2つ付いた形)を意味します。右と左でスペックはすべて同じで、違うのはハンドルが付く側だけです。筆者が使っているのは左ハンドルの150L-DHですが、この記事では右左をセットで扱います。
公式サイトに掲載されている150-DH/150L-DHのスペックは次のとおりです。
| 項目 | 150-DH/150L-DH |
|---|---|
| 標準自重 | 230g |
| 巻き取り長さ | 69cm(ハンドル1回転あたり) |
| ギア比 | 6.3 |
| 標準巻糸量(PE) | 1号-400m/1.5号-250m/2号-200m |
| ハンドルアーム長 | 100mm |
| ベアリング(ボール/ローラー) | 5/1 |
| 最大ドラグ力 | 5kg |
| ハンドルノブ仕様 | EVA |
| メーカー希望本体価格 | 16,800円(税抜) |
| JAN | 4550133162572(150-DH)/4550133162589(150L-DH) |
搭載されている機能として、公式は高剛性アルミフレーム、ワンプッシュONクラッチ、ラインストッパー、そしてICカウンターの船べりアラームと道糸高切れ修正を挙げています。ワンプッシュONクラッチは、リールを持っている手だけでクラッチを戻せる機構です。
ICカウンターの道糸入力は、150サイズであればPE0.4号から対応します。付属のエコノマイザー(スプールの内径を埋めて下巻きを不要にするパーツ)をH・Lで使い分ける仕組みで、公式が示す対応号数は次のとおりです。
| エコノマイザー | 入力できるPEの号数と長さ |
|---|---|
| 装着しない | 1号-400m/1.2号-300m/1.5号-250m/2号-200m/3号-140m |
| H を装着 | 0.4号-200m/0.5号-200m/0.6号-200m/0.8号-150m/1号-100m |
| L を装着 | 0.8号-300m/1号-200m/1.5号-150m/2号-100m |
公式は入力時の注意として、道糸は10m以上あれば入力できること、入力は500gのテンションをかけて行うことを挙げています。対応する釣りとしては、タチウオ、真鯛、アジ、サバ、イサキ、ヒラメ、タイラバ、ライトジギング、イカメタルが挙げられています。瀬戸内で船に乗るときによく出てくる釣りが、ひととおり含まれている形です。
カウンター付きの強みは、何メートルでアタったかを数字で残せることだよ。同じ棚をもう一度撃ち直せるようになるんだ🎣
150-DH・150・200 の違いと番手の選び方
ライトゲームX IC は5アイテム構成です。公式スペックを並べると、番手の差は自重・ハンドル・糸巻量の3点に集約されます。
| アイテム | 標準自重 | ハンドル | アーム長 | ハンドルノブ | 標準巻糸量(PE) | 本体価格(税抜) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 150-DH/150L-DH | 230g | ダブル | 100mm | EVA | 1号-400m/1.5号-250m/2号-200m | 16,800円 |
| 150/150L | 260g | シングル(バランサー付き) | 50mm | 大型アルミラウンド | 1号-400m/1.5号-250m/2号-200m | 18,600円 |
| 200 | 250g | シングル | 60mm | 大型アルミラウンド | 2号-300m/3号-200m/4号-160m | 20,400円 |
表を見て意外に感じるのは、ダブルハンドルの150-DH系がいちばん軽く、いちばん安いという点です。230gで16,800円、対してシングルハンドルの150は260gで18,600円。30g重く、1,800円高くなります。公式はシングルハンドル側を「バランサー付き50mmシングルハンドルに大型アルミラウンドノブが標準装備」と説明しているので、この差はハンドルまわりの構成の違いと読むのが自然です。上位グレードだから軽い、という関係ではありません。
番手の選び分けは、次のように整理できます。
- タイラバやライトジギングのように巻き続ける釣りが中心 → ダブルハンドルの150-DH/150L-DH。100mmのアームは、等速で巻くときにリズムを取りやすい長さです
- 手持ちで誘い、一度に大きく巻き上げたい → シングルハンドルの150/150L。大型アルミラウンドノブは力を入れて握れます
- PE3号以上を使う、または300m前後を巻きたい → 200。150サイズはPE2号-200mが上限なので、ここは番手で解決するしかありません
品番の「L」の有無は左右の違いです。ロッドを持つ手と反対の手で巻くのが基本なので、竿を右手で持つ人は左ハンドルの150L-DH、竿を左手で持つ人は右ハンドルの150-DHを選ぶことになります。番手とハンドル形状を決めたあと、最後に左右を決める順番です。
ダブルハンドルかシングルハンドルか。ここは番手より先に決めると迷いにくいかも。
上位機との違い|ライトゲームIC・RX ICと数値で比較
ライトゲームX IC を検討するとき、実際に迷う相手は同じダイワの上位2機種です。同じ150L-DH(右ハンドルの150-DHも数値は同じ)で公式スペックを揃えると、次のようになります。
| 項目 | ライトゲームX IC 150L-DH | ライトゲームRX IC 150L-DH | ライトゲームIC 150L-DH |
|---|---|---|---|
| 標準自重 | 230g | 235g | 215g |
| 巻き取り長さ | 69cm | 72cm | 70cm |
| ギア比 | 6.3 | 6.4 | 6.3 |
| ベアリング(ボール/ローラー) | 5/1 | 5/1 | 5/1 |
| 最大ドラグ力 | 5kg | 5kg | 5kg |
| ハンドルアーム長 | 100mm | 110mm | 110mm |
| 標準巻糸量(PE) | 1号-400m/1.5号-250m/2号-200m | 1号-400m/1.5号-250m/2号-200m | 2号-200m/3号-130m |
| 本体価格(税抜) | 16,800円 | 24,600円 | 35,000円 |
この表で目を引くのは、ベアリング5/1と最大ドラグ力5kgが3機種とも同じ数値だという点です。ギア比も6.3〜6.4に収まり、ハンドル1回転あたりの巻き取り長さも69〜72cmの範囲です。最上位のライトゲームICとの自重差にいたっては15gしかありません。それでいて価格は16,800円と35,000円で、18,200円の開きがあります。
数値としてはっきり違うのは、ハンドルアーム長が100mmと110mmで10mm短いこと、そして最上位ICの標準巻糸量の表記がPE2号-200m/3号-130mになっていることくらいです。またRX ICは公式スペック表にボディ素材がアルミと明記されており、X IC は製品説明で高剛性アルミフレームと説明されています。
つまり、価格差の大部分はスペック表に数字として現れていません。巻き心地や剛性、長く使ったときの精度といった、表に載らない部分に価値を感じるなら上位機を選ぶ意味があります。逆に、表に載っている数値で足りる範囲から始めたいなら、X IC を選ばない理由は見つけにくいところです。
タイラバに絞って考えるなら、選択肢がもう1つあります。紅牙 RX IC 150PL は自重235g、ハンドル1回転あたり62cm、ギア比5.5、最大ドラグ力6kgで、本体価格は25,900円(税抜)です。ギア比が低く設定され、ドラグは1kg強い構成になっています。等速巻きが釣果に直結する釣りなので、タイラバ専用機を先に選ぶ考え方も成り立ちます。
ダイワ 紅牙 RX IC 150PL
ギア比5.5・最大ドラグ6kgの専用設計。等速巻きが釣果に直結する釣りを主軸にするならこちらが基準になります。
実釣インプレ|使ってみて分かったこと
筆者が使っているのは左ハンドルの150L-DHです。瀬戸内海の小物釣りであれば、手持ちの船竿のほとんどにこの1台を合わせられるので重宝しています。カウンター付きのリールを釣りごとに買い分けずに済み、船に持ち込む道具が1つで済むのが、使ってみていちばん助かっている点です。
組み合わせとして多いのは、アナリスター ライトゲーム 73 MH-190とのセットです。あちらは自重100gの軽い船竿なので、230gのリールを載せても手持ちの負担になりにくい組み合わせです。メバル竿と組む日もあり、その場合も同じリールをそのまま付け替えて使っています。竿ごとにリールを用意しなくてよいのは、PE0.4号から入力できるカウンターと、230gという自重のおかげです。
1つの釣り専用ではなく、瀬戸内の小物釣り全般に持ち出す共用リールとして使う。それがこのリールのいちばん納まりのよい使い方だと感じています。

ダイワ ライトゲームX IC 150-DH
タイラバやライトジギングのように等速で巻くなら、100mmダブルハンドルの150-DH系が基準になります。
ダイワ ライトゲームX IC 150L-DH
アナリスター ライトゲーム 73 MH-190やメバル竿と組み合わせて、瀬戸内の小物釣りに持ち出している番手です。
メリット3つとデメリット2つ
メリット1|主要スペックが上位機と並ぶ
前章のとおり、ベアリング5/1・最大ドラグ力5kg・ギア比6.3という主要数値は上位2機種と同じです。数値で判断する限り、1万円台という価格から想像するより上のクラスに位置しています。
メリット2|ICカウンターがPE0.4号から入力できる
付属のエコノマイザーHを使えば、PE0.4号-200mから入力できます。細糸を使うライトな釣りでも、水深表示の精度を保ったまま使える構成です。カウンター付きリールは太糸前提のものも多いので、ここは実用上の差になります。
メリット3|片手で操作が完結する
ワンプッシュONクラッチは、リールを持っている手だけでクラッチをONに戻せる機構です。船上では竿を片手で支えたまま操作する場面が多いので、動作が1つ減る意味は小さくありません。
デメリット1|電池交換をメーカーに送る必要がある
公式に「電池交換は作業が複雑なため防水性能を維持するためSLP預かりになります」と明記されています。SLPはダイワのカスタム・パーツ部門です。つまり電池が切れたら自分では交換できず、預ける期間はリールを使えません。
このデメリットが気にならないのは、オフシーズンにまとめてメンテナンスへ出す習慣がある人です。シーズン前に点検を兼ねて送る流れにできるなら、実質的な不便は小さくなります。
デメリット2|150サイズはPE2号-200mが上限
標準巻糸量はPE1号-400m/1.5号-250m/2号-200mです。深場の落とし込みや、太糸が前提になる釣りには足りません。その場合はPE3号-200mに対応する200サイズを選ぶことになります。
このデメリットが気にならないのは、水深100m前後までの釣りが中心の人です。瀬戸内のタチウオやタイラバのように、PE1号前後で組む釣りであれば余裕をもって収まります。
電池交換がメーカー送りなのは、防水のためにしっかり密閉してあるからだよ。シーズン前に残量を見ておくと安心かも。
よくある質問
Q1. 船釣りが初めてでも使えますか?
数値の上では扱いにくい要素は見当たりません。自重230gで最大ドラグ力5kg、対応する釣りとして公式がタチウオ・真鯛・アジ・イサキ・ヒラメなどを挙げています。カウンターがあることで「船長が言った水深」をそのまま再現できるので、むしろ最初の1台に向いた構成といえます。
Q2. 150-DH(150L-DH)と150(150L)、どちらを選べばいいですか?
巻き続ける釣りが中心ならダブルハンドルの150-DH系、手持ちで誘う釣りが中心ならシングルハンドルの150系です。自重は150-DH系が230g、150系が260gで、価格も150-DH系のほうが1,800円安く設定されています。左右はどちらの系統にもあるので、先に形状を決めてから利き手で左右を選びます。迷ったときは、自分がやりたい釣りが「巻く釣り」か「誘う釣り」かで決めると整理しやすいと思います。
Q3. タイラバに使えますか?
公式の対応表にタイラバが含まれています。ギア比6.3・ハンドル1回転69cmという設定なので、等速で巻く釣りに使えます。ただしタイラバ専用機として設計された紅牙 RX IC はギア比5.5・最大ドラグ力6kgと数値が異なります。タイラバ主体で組むなら専用機、複数の釣りを1台でまかなうならライトゲームX IC、という選び方になります。
まとめ
ライトゲームX IC 150-DH/150L-DH は、ベアリング5/1・最大ドラグ力5kg・ギア比6.3という主要スペックを上位機と共有しながら、メーカー希望本体価格16,800円(税抜)に収まっているICカウンター付きベイトリールです。最上位のライトゲームICとの自重差は15g、価格差は18,200円あります。
向いているのは、水深を数字で管理したい釣りを1万円台から始めたい人です。PE0.4号から入力できるので、ライトな釣りにも対応します。向いていないのは、PE3号以上を使う人(200サイズを選ぶことになります)と、電池を自分で交換したい人です。
番手はハンドル形状で決めるのが分かりやすく、巻く釣りならダブルハンドルの150-DH系、誘う釣りならシングルハンドルの150系が基準になります。左右は利き手で決めます。竿を左手で持つなら右ハンドルの150-DH、右手で持つなら左ハンドルの150L-DHです。

ダイワ ライトゲームX IC 150-DH
PE0.4号から入力できるので、細糸を使うライトな釣りでもタナをそのまま再現できます。
ダイワ ライトゲームX IC 150L-DH
中身は右ハンドルと同じです。ロッドを持つ手と反対の手で巻くのが基本なので、利き手に合わせて選びます。



