エギングを始めて号数の見当がついてくると、次にぶつかるのがカラーの問題です。売り場には数十色が並び、「ローズゴールド」「ムラムラチェリー」といった商品名が付いています。名前を眺めているだけでは、どれが自分の釣り場向けなのかは見えてきません。
ただ、エギのカラーはメーカーの公式スペック表を見ると、はっきり2つの要素に分解されています。この記事ではエギングのエギカラーの選び方を、その2要素を軸に整理し、当日の海を見てその日の1本を絞り込むところまで解説します。
結論|色名ではなく「下地」から選ぶなら
ヤマシタ エギ王K ベーシック
カラーごとに下地(ボディカラー)が公式に明示されているシリーズなので、この記事の「下地で決める」手順をそのまま当てはめられます
楽天市場AmazonYahoo!ショッピング価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
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エギングのエギカラーの選び方は「下地」と「背中」の2階建てで考える
エギのカラー選びを難しくしているのは、ひとつの色名の中に、役割の違う2つの要素が畳み込まれているからです。
ヤマシタ「エギ王 K」の公式製品ページを開くと、スペック表のカラー欄が「布の種類」と「ボディカラー(下地)」の2列に分かれています。メーカー自身がエギの色をひとつの色として扱っておらず、外側に巻かれた布と、その下に隠れているボディの色という2階建ての構造として管理しているということです。
実際に分解すると、「003 ローズゴールド」は下地が金、「005 ムラムラチェリー」は下地がケイムラ、「085 マリアナモンスター」は下地が紫です。色名の響きだけで選ぶと、下地という半分を見落とすことになります。
この構造を頭に入れておくと、何十色ものカラー名を覚える必要がなくなります。パッケージには下地の情報が記載されていることが多いので、「背中は何色か」「下地は何か」の2点だけ確認すれば、その1本がどんな場面を想定した色なのか見当がつきます。
エギの名前は覚えなくていいんだよ。売り場で見るのは「背中の色」と「下地」の2つだけ。
エギの下地は「光をどう扱うか」で3グループに分かれる
2階建ての土台が下地だと分かったところで、その下地が水中で何をしているのかを整理します。エギ王Kのカラー一覧に登場する下地を並べると、金・赤・ピンク・紫・青・緑といった不透明色のほかに、ケイムラ・490グロー・ネオンブライトという発光にかかわる名前が並びます。やっていることで分けると、大きく3グループです。
反射系(金など)|光を跳ね返して気づかせる
金に代表される、光を反射してギラつかせるタイプです。水中に差し込んだ光を跳ね返してフラッシングを起こし、離れた位置にいるイカにエギの存在を知らせます。エギ王Kの「002 キャロットゴールド」は、オレンジと金ボディの組み合わせが濁り潮に効果を発揮する王道カラーだと公式に説明されています。
透過・発光系(ケイムラ・グロー)|自ら光る、あるいは光って見える
ケイムラは紫外線を受けて発光する塗料で、人の目にはほぼ透明なのに、紫外線が届く水中では光って見えます。グロー(夜光)は蓄光で、光を蓄えて暗い場所で自ら発光します。
ヤマシタが「490グロー」と呼んでいるのは、アオリイカがもっとも感知しやすいとされる490ナノメートル付近の波長で光る蓄光です。公式ページでも、イカが最も感知しやすい490nmの波長で発光する、と説明されています。同社はさらに、通常のケイムラを上回る発光強度を持つ下地として「ネオンブライト」も展開しています。
シルエット系(赤・紫など)|輪郭をはっきり見せる
赤や紫といった濃い不透明色です。光を通さないぶん、イカが下から見上げたときの輪郭がくっきり出ます。エギ王Kの「004 カクテルオレンジ」には赤ボディが使われており、赤ボディのシルエット効果で夜間やローライト時に効果的だと説明されています。紫ボディの「085 マリアナモンスター」も、深場や闇夜など最も暗い状況下で効果を発揮するカラーという位置づけです。
| 下地のグループ | 代表的な下地 | 水中でやっていること | 効きやすい場面 |
|---|---|---|---|
| 反射系 | 金 | 光を跳ね返して光らせる | 濁り潮・光量のある時間帯 |
| 透過・発光系 | ケイムラ/490グロー/ネオンブライト | 紫外線で光る・蓄光で自ら光る | 澄み潮・日中のタフな状況・暗い時間帯 |
| シルエット系 | 赤・紫など濃い不透明色 | 光を通さず輪郭を濃く見せる | 夜・マヅメ・ローライト |
下地は「反射」「発光」「影」の3タイプって覚えると、迷う時間がぐっと減るかも。
その日の下地は「潮の色」と「光量」の2つで決める
3グループが頭に入れば、当日の海を見て下地を決められます。判断材料は潮の色(澄んでいるか濁っているか)と光量(明るいか暗いか)の2つだけです。
澄み潮+明るい|見えすぎる状況を落ち着かせる
イカからエギがよく見えている状況です。ここで強く反射させると、かえって不自然さが出て見切られやすくなります。透過・発光系のケイムラや、水になじむナチュラル寄りの配色が向きます。エギ王Kの「007 ブルーポーション」は、ケイムラボディとクリアブルーのナチュラル感が活性の低いイカに効果を発揮するカラーで、日中や澄み潮時に使いたい1色と説明されています。
濁り潮|まず気づかせることを優先する
見えにくい状況なので、存在を知らせるほうが先です。反射系の金や、発光の強い下地が選択肢になります。エギ王Kの「072 マッディキング」は、雨後や底荒れによる濁り潮に強い紫外線発光カラーで、緑のネオンブライトボディが濁り潮の中でもエギの存在を効果的にアピールすると説明されています。
暗い時間帯(夜・マヅメ・曇天)|輪郭か、自発光か
光そのものが少ないので、輪郭で見せるシルエット系か、自ら光るグロー系が中心になります。前述の赤ボディや、490グローの下地が該当します。
| 状況 | まず試す下地 | ねらい |
|---|---|---|
| 澄み潮・日中 | ケイムラ系 | 不自然さを抑えつつ気づかせる |
| 濁り潮・日中 | 金などの反射系 | 光を反射して距離を稼ぐ |
| 澄み潮・暗い | 赤・紫などのシルエット系 | わずかな明るさで輪郭を出す |
| 濁り潮・暗い | 490グローなどの蓄光系 | 自ら光って存在を知らせる |
ただし、これはあくまで出発点の目安です。同じ「濁り」でも、プランクトンによる薄い濁りと雨後の泥濁りではエギの見え方が変わります。この色なら必ず釣れるという組み合わせは存在しないので、目安から入って反応を見ながら動かす、という考え方のほうが現実的だと思います。
エギの背中の色は「イカへのアピール」と「自分の視認性」の2役
下地が決まったら、上に巻かれた布、つまり背中の色を決めます。背中には2つの仕事があります。
役割1|イカに対するアピール量を決める
ピンクとオレンジがパイロットカラーの定番とされるのは、幅広い状況で反応を得やすいと考えられているからです。エギ王Kでも「003 ローズゴールド」が、ピンクと金ボディを組み合わせた定番カラーで、澄み潮をはじめさまざまな状況に対応するパイロットカラーと位置づけられています。
逆に、オリーブ・ブラウン・グリーンといった地味な系統は、海藻帯や磯の景色に馴染ませて違和感を減らす方向のカラーです。エギ王Kの「082 オレノオリーブ」は、信頼と実績のあるオリーブ布が薄濁りの潮によく馴染み、スレたイカにも有効な王道の組み合わせと説明されています。
ヤマシタ エギ王K ベーシック
同じ下地でも背中の配色が細かく分かれているため、下地を固定したままアピール量だけを変えて試す持ち替えがしやすくなります
楽天市場AmazonYahoo!ショッピング役割2|釣り人がエギを見失わないようにする
エギングはラインの変化でアタリを取る釣りですが、シャローや足元でエギ本体を目視できると、着底やイカが抱いた瞬間の判断がしやすくなります。オレンジやピンクの背中は薄暗い時間帯でも視認しやすく、エギ王Kの「087 グリーンエナジー」の解説でも、アングラーからの視認性の良さに触れられています。
つまり背中の色は、イカ向けのアピール量と、自分の見やすさの折り合いをつけるパーツです。アピールが強すぎれば警戒され、弱すぎれば気づかれない。その中間を、その日の状況に合わせて探ることになります。
背中の色は、イカに見せるためだけじゃないんだ。自分がエギを見失わないのも大事だよ🎣
最初にそろえるエギは3本|色数より「下地違い」で組む
初心者が迷いやすいのは「何色から買えばいいのか」という点です。色数を増やすより、下地の違う3本をそろえるほうが実戦では機能します。
- 1本目:反射系(金の下地)×ピンクかオレンジの背中。汎用性が高く、迷ったら最初に投げる基準の1本にしやすいところです。
- 2本目:透過・発光系(ケイムラの下地)×ピンクか青系の背中。澄み潮・日中・反応が渋いときの持ち替え先です。
- 3本目:シルエット系(赤の下地)または蓄光系の下地×オレンジの背中。夜・マヅメ・濁りに対応します。
この3本は同じ号数でそろえるのがポイントです。号数を変えると沈下速度もアピール量も同時に変わり、色を替えた効果なのかサイズを替えた効果なのか判断できなくなります。号数そのものの決め方はエギングのエギ号数選び方で整理しているので、あわせて確認してみてください。
ローテーションは「色→下地→色以外」の順で疑う
持ち替えの手順を決めておくと、現場で迷いません。
- まずパイロット(1本目)を投げ、その日の反応の有無を見る
- 反応がなければ下地を替える(1本目→2本目→3本目)
- 下地を一周しても反応がなければ、色ではなく号数・沈下速度・レンジ・立ち位置を疑う
持ち替えの判断は1投ではなく数投単位で行います。1投で見切ると、色の問題なのか、単にまだ投げた回数が足りていないだけなのかを切り分けられません。同じコースを数投通しても触りがない、という状態を確認してから次の下地へ移ると、持ち替えの判断精度が上がります。
やりがちな3つの失敗
最初の1本を投げ続けてしまう:反応がないまま同じエギを使い続けると、その日の当たり下地にたどり着けないまま時間だけが過ぎます。数投して触りがなければ、上の手順どおり下地を替えて一周させるほうが、状況をつかむのは早くなります。
色数ばかり増やしてしまう:下地が同じエギを何本そろえても、水中での見え方の幅は広がりません。増やすなら背中の色ではなく下地からのほうが、対応できる状況は増えます。
釣果をすべて色で説明しようとする:時期・場所・潮の動きの影響のほうが大きい場面は珍しくありません。時期の見立てについては瀬戸内の秋イカエギングも参考になります。
ヤマシタ エギ王K ベーシック
号数を固定したまま下地の違うカラーを選べるので、最初の3本を同じシリーズで組みたいときの候補になります
楽天市場AmazonYahoo!ショッピングまとめ|色名ではなく「下地×背中」で選ぶ
エギングのエギカラーの選び方は、色名を暗記する作業ではありません。メーカーの公式スペック表が「布の種類」と「ボディカラー(下地)」を分けて管理しているとおり、下地と背中の2階建てで捉えると、数十色の売り場が一気に整理されます。
- 下地は反射系・透過発光系・シルエット系の3グループ。潮の色と光量で決める
- 背中はイカへのアピール量と、自分の視認性の折り合いで決める
- 最初の3本は下地違い・同一号数でそろえる
- 下地を一周して反応がなければ、色以外(号数・レンジ・立ち位置)を疑う
色は釣果を左右する要素のひとつですが、すべてではありません。まずは下地の違う3本で1シーズン通すと、自分の釣り場でどの下地が反応を得やすいのかが見えてくるはずです。



