瀬戸内の春イカエギング|アオリイカが狙える時期と藻場の攻め方

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エギングには春と秋、2つのシーズンがあります。瀬戸内でも春になると、アオリイカを狙って堤防に立つ人が一気に増えます。ただ、秋と同じ感覚で春の海に立つと、反応がないまま1日が終わることも珍しくありません。春のアオリイカは数が少なく、そのぶん1杯の価値が大きい釣りだからです。

この記事では、瀬戸内で春イカが狙える時期の目安と、秋とは違う場所の選び方・エギの選び方・誘い方を整理しました。時期は年や海域によって前後するため、目安として読んでください。

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結論|春の浅い藻場は「ゆっくり沈む3.5号」から
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3.5号で約6.0秒/mのスローフォール。浅い藻場で、追いきれない親イカに見せる時間を長く取れます。

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瀬戸内で春イカが狙える時期の目安

瀬戸内で春イカが意識され始めるのは、おおむね4月に入ってからです。5月前後がもっともチャンスの多い時期で、6月に入ると産卵を終えた個体が混じり始め、シーズンは終盤に向かいます。

この時期に釣れるアオリイカが大きいのには理由があります。アオリイカの寿命はおよそ1年で、春に生まれた個体が秋に「新子」として釣れ、冬を越して春に産卵します。つまり春に岸から狙えるのは、冬を越して大きく育った親イカです。秋には100g前後だった個体が、春には500gから1kgを超えるサイズまで成長しています。

時期の目安を月ごとに整理すると、次のようになります。

  • 4月:水温の上昇とともに、深場から浅場へ差してくる時期。日によるムラが大きく、当たり外れが出やすい
  • 5月:産卵を意識した個体が藻場周辺に集まり、シーズンの本番を迎える
  • 6月:産卵を終えた個体も混じる終盤。数は落ちるが、大型のチャンスは残る

カレンダーの日付以上に参考になるのが水温です。アオリイカは水温が15℃を超えるあたりから浅場に差し始め、18〜20℃前後で産卵行動が活発になるといわれます。瀬戸内は内海で水深の浅いエリアが多く、春先の水温が上がりやすいのが特徴です。同じ「5月」でも、その年の水温の進み方で2〜3週間ほど前後すると考えておくと、空振りが減ります。

春イカの時期って「何月から」で覚えるより、水温で見たほうが外さないよ。海水温は気象庁のページでも見られるから、行く前にのぞいてみるといいかも🎣

春イカと秋イカは、同じエギングでも別の釣り

「エギング」とひとくくりにされますが、春と秋では狙い方がかなり変わります。まず両者の違いを押さえておくと、春の組み立てが理解しやすくなります。

春イカ 秋イカ
主なサイズ 500g〜1kg超 100〜300g中心
個体数 少ない 多い
主な場所 藻場とその周辺 堤防・漁港まわり全般
エギの号数 3.5号が基準 2.5〜3号が中心
1日の釣果イメージ 0〜数杯 数杯〜二桁も
向いている人 数より一発を狙いたい人 これから始める人

秋は数が多く、初めての1杯に出会いやすいシーズンです。一方で春は、反応がないまま何時間も過ぎることを前提に組み立てる釣りになります。「今日は釣れなかった」が普通に起こるので、そこで心が折れないよう、あらかじめ期待値を調整しておくのが大切です。秋のエギングについては瀬戸内の秋イカエギング|時期の目安とサイズに合わせた狙い方で詳しく整理しています。

春イカが着く場所|藻場を中心に考える

春のポイント選びは、ほぼ藻場(もば)を探すことと言い換えられます。アオリイカは海藻の茎に卵を産みつけるため、産卵期の親イカは海藻の生えたエリアに寄ってくるからです。瀬戸内であればアマモやホンダワラ類が生えている場所が候補になります。

藻場の見つけ方

藻場は、いくつかの方法で目星をつけられます。

  • 潮が大きく引くタイミングで下見する:干潮時に海底が透けて見える場所なら、海藻の有無を直接確認できる
  • 偏光グラスで海面を見る:晴れて澄んだ日中であれば、水中の濃い色の帯として見えることがある
  • エギの着底の感触で探る:着底時にフワッと止まる、軽い抵抗が続く場所は海藻が絡んでいる可能性が高い

海藻は毎年おおむね同じ場所に生える傾向があるため、一度見つけておくと次のシーズン以降も使えます。

狙うのは藻場の「中」ではなく「際」

気をつけたいのは、藻場の真ん中を通そうとしないことです。海藻の中にエギを入れると根掛かりが増え、外そうとして藻場そのものを荒らしてしまいます。狙うのは藻場の際、切れ目、藻場に隣接するかけ上がりです。親イカは産卵の合間にこうした場所を回遊しているので、際をなぞるようにエギを通すほうが結果につながります。

また瀬戸内は、潮流の速い水道部と、穏やかな湾奥がはっきり分かれた海域です。春先は、潮が緩やかで水温が上がりやすい湾奥側の藻場から反応が出始めることが多い印象です。エリア全体のポイントの考え方は広島エギングの時期とポイント選び|アオリイカを狙う季節と場所の基本もあわせて参考にしてください。

藻の中に投げ込むと根掛かりばかりになるよ。狙うのは藻の「際」と「切れ目」。ここを覚えておくと春はぐっと楽になるよ。

春イカのエギ選び|号数よりも「沈下速度」で考える

春のエギは3.5号が基準です。大型のイカが抱きやすいシルエットがあり、藻場の上でもしっかり存在感を出せます。号数そのものの考え方はエギングのエギ号数選び方|初心者向け早見表とシーン別の使い分けで解説していますが、春に関しては号数を決めたあとの沈下速度のほうが釣果を分けます。

同じ3.5号でも、タイプによって沈むスピードはまったく違います。ヤマシタのエギ王 K(公式仕様)を例にすると、3.5号の沈下スピードは次のとおりです。

タイプ 重量 沈下スピード
ベーシック(3.5号) 22g 約3秒/m
シャロー(3.5号S) 20g 約6.0秒/m
スーパーシャロー(3.5号SS) 19.5g 約8.0秒/m
出典:ヤマシタ公式サイト エギ王 K/エギ王 K シャロー・スーパーシャローの製品仕様

この差を、水深3mの藻場に当てはめてみます。ベーシックなら着底まで約9秒、シャローなら約18秒、スーパーシャローなら約24秒。同じ1回のフォールでも、イカにエギを見せている時間が2倍以上変わるということです。

水深3mの藻場での着底時間。エギ王K 3.5号はベーシック約9秒、シャロー約18秒、スーパーシャロー約24秒で、見せる時間が2倍以上変わる

春の親イカは、秋の新子のようにエギを追い回してはくれません。速く沈むエギは追いきれずに見送られることがあり、逆にゆっくり漂うエギには、離れた場所からゆっくり近づいてくることがあります。浅い藻場を攻めるならシャロータイプ、水深があるポイントや潮が速い場所ではベーシック、と使い分けるのが基本の考え方です。

カラーは迷いやすいところですが、藻場攻略を想定した色が各社から出ています。エギ王 Kにも、公式の解説で「藻場攻略や澄潮時に威力を発揮する」と位置づけられたグリーン系のカラーが用意されています。まずはアピール系(オレンジ・ピンク系)と、ナチュラル系(グリーン・ケイムラ系)を1つずつ持っておけば、澄み潮と濁り潮の両方に対応できます。

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水深3m前後の藻場なら

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ベーシックの約3秒/mに対して約6.0秒/m。同じ1投でも、エギを見せられる時間が倍近く変わります。

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春イカの誘い方|動かす時間より、止める時間

春の誘いは、秋とリズムが違います。秋は広く速く探ってイカを見つける釣りですが、春は1投にかける時間を長くとる釣りです。

基本の流れは次のようになります。

  1. キャストして着水させ、糸フケを取る
  2. ロッドを2〜3回シャクる(秋より回数は控えめでよい)
  3. ラインを張らず緩めずの状態でフォールさせる
  4. 10秒以上、しっかり見せる時間をつくる
  5. 再びシャクり、これを足元まで繰り返す

ポイントは3〜4の「止めている時間」が本番だということです。アタリの多くはフォール中に出ます。ラインがスーッと横に走る、フォール中に急にフッと軽くなる、シャクろうとしたら重みが乗っている——このいずれも、エギを抱いているサインです。

逆に、春にやりがちな失敗はシャクりすぎと回収が早すぎることです。反応がないと、つい手数を増やしたくなりますが、追いきれないスピードで動かし続けると、近くまで来ていた個体を離してしまいます。1投あたりの時間が長くなればキャスト数は減りますが、春はそれで問題ありません。

春は手数を増やすより、1投を長くするほうが向いてるよ。シャクったあと、心の中で10数えるくらい待ってみてね。

春イカを狙うときに気をつけたいこと

春は産卵に絡む時期なので、資源とフィールドへの配慮が特に大切になります。

  • 藻場を荒らさない:産卵場所そのものなので、無理に藻の中を攻めたり、根掛かりを力任せに引き抜いたりしない
  • 必要な分だけ持ち帰る:翌年以降のシーズンにつながる時期。数が釣れたときほど意識したい
  • 立入禁止エリアを守る:漁港や堤防には立入が制限された区域がある。現地の表示を必ず確認する
  • ゴミと駐車マナー:ライン屑は特に持ち帰りを徹底する

安全面では、堤防や漁港から狙う場合腰巻きタイプの膨張式ライフジャケットを必ず着用してください。春先は朝夕の冷え込みが残り、日中との寒暖差も大きい時期です。防寒着を1枚多めに持っておくと、夕まづめの粘りが利きます。夜間や早朝に入るならヘッドライトも必需品です。

まとめ

瀬戸内の春イカエギングのポイントを整理します。

  • 時期は4〜6月が目安で、5月前後が本番。日付より水温(15℃超えが目安)で判断すると外しにくい
  • 狙う場所は藻場。ただし藻の中ではなく、際・切れ目・隣接するかけ上がりを通す
  • エギは3.5号が基準。号数を決めたあとは沈下速度で使い分ける(浅い藻場ほどゆっくり沈むタイプ)
  • 誘いは止める時間が本番。シャクり回数を抑え、フォールを10秒以上とる
  • 産卵期なので、藻場を荒らさない配慮とライフジャケットの着用を忘れずに

春イカは、1日粘って1杯出るかどうかという釣りです。そのぶん、藻場の際でラインが走った瞬間の手応えは、秋の数釣りとはまったく別物になります。まずは水温と藻場の2つを手がかりに、通うポイントを絞り込むところから始めてみてください。

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まずは3.5号のシャローを1つ。アピール系とナチュラル系を1色ずつ揃えると、澄み潮も濁り潮も拾えます。

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