夜のアジングで反応が出ないとき、「集魚灯があれば変わるのでは」と考える人は少なくありません。市販の集魚灯は製品によって価格に幅があるので、材料を買って自作すれば安く上がるのでは、と作り方を検索する流れも自然です。
ただ、設計図を探す前に確かめておきたいことがあります。集魚灯を使えるかどうかは、道具の性能ではなくその海域のルールで決まる、という点です。広島県の場合、答えははっきりしています。遊漁者が集魚目的で水面を照らすことは禁止されています。
この記事では、広島県のルールを公式情報で確認したうえで、自作そのものが抱える技術的な問題と、集魚灯に頼らずに夜のアジを狙うための常夜灯の読み方を整理します。
本文で取り上げたモデルはこちらです(最新の仕様・価格は販売ページでご確認ください)。
冨士灯器 ゼクサス ZX-195X
メインLEDが赤色。水面ではなく手元だけを照らす前提で設計された、夜のアジング向けのヘッドライトです。
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広島県ではアジングで集魚灯を使うことが禁止されている
遊漁者が使えるのは竿釣・手釣などに限られる
広島県漁業調整規則第44条は、遊漁者が使える漁具と漁法を次のように限定しています(広島県公式サイトの記載による)。
- 竿釣及び手釣(船舶を使用して行うまきえ釣を除く)
- たも網及び叉手網(船舶を使用しないものに限る)
- 投網(船舶を使用しないものに限る)
- は具、やす(ゴム、ばねその他の発射装置により発射するものを除く)
- 徒手採捕
これ以外の方法は、遊漁方法の制限違反にあたります。そのうえで広島県は、これとは別に「制限及び禁止されている漁具と漁法」として火光を利用してする漁法を挙げています。集魚灯を水面に向けて魚を寄せる行為は、ここに含まれます。同じページの一覧でも、遊漁者ができない側に「集魚灯」がはっきり並んでいます。
罰則は10万円以下の罰金など
広島県は、禁止漁具・漁法(規則第37条)に対する罰則を「6月以下の拘禁刑、又は10万円以下の罰金」と示し、その例として「集魚目的で水面を灯りで照らす行為」を挙げています。自作か市販品かは問われません。行為そのものが対象です。
つまり広島でアジングをする限り、自作集魚灯は「作っても使えない道具」になります。材料費と工作の時間をかける前に、ここを確認しておく価値は大きいと思います。
作れるかどうかより、使っていいかどうかが先だよ。ここを飛ばすと、材料代がまるごと無駄になっちゃうかも。
🎣 つれたろうのLINEスタンプ ›「足元を照らす」と「水面を照らす」は別の話
ここで混同しやすいのが、明かりを持つこと自体が禁じられているわけではない、という点です。禁止されているのは集魚目的で水面を照らす行為であって、足場の安全確認やリグを結ぶための手元照明まで否定されているわけではありません。
判断の軸は「何のために、どこを照らしているか」です。ジグヘッドを結ぶために手元を照らすのは通常の行動ですが、同じライトを海面に向けてベイトを寄せようとすれば、目的が変わります。判断に迷う道具や使い方があれば、広島県の遊漁のルールのページを確認し、それでも決めきれないときは県の水産課に問い合わせるのが確実です。
自作集魚灯には、ルール以外のハードルもある
仮にルール上使える海域だったとしても、自作にはいくつか現実的な壁があります。
防水がいちばんの難所です。 海水は真水より電気を通しやすく、わずかな浸水でも回路のショートにつながります。市販の防水ケースやコネクタを使っても、ケーブルの引き出し口やスイッチまわりは弱点になりやすい部分です。市販の水中集魚灯が防水等級を前面に出しているのは、そこが製品の価値そのものだからです。
電源も慎重に扱う必要があります。 明るさを出そうとすればバッテリー容量が要りますが、リチウムイオン電池は水濡れ・変形・過充電に弱く、扱いを誤ると発熱や発火につながります。足元が濡れている夜の堤防に自作の電源を置く構成は、それだけでリスクを増やします。
塩害も無視できません。 端子やネジは潮を浴びるたびに腐食が進み、一度接触不良が出ると現場での復旧は困難です。
水面付近の強い光は、周囲から紛らわしく見えます。 夜間の海上では灯火が航行の手がかりになります。正体の分からない光源を水際に置くことは、まわりにとって好ましい状況ではありません。
広島・瀬戸内のアジングは常夜灯を読む釣り
集魚灯が使えない代わりに、瀬戸内の港には最初から灯りがあります。常夜灯です。持ち込むのではなく、すでにある光をどう使うかを考える釣りになります。
狙うのは光の中心ではなく明暗の境目
常夜灯まわりで大事なのは、明るい場所そのものよりも、光が届く範囲と暗い部分の境目です。プランクトンが光に集まり、それを食べる小魚が寄り、さらにアジが付く、という順番でベイトが積み上がります。ただしアジは明るい真下に浮きっぱなしになるわけではなく、暗がり側から差してくることが多い魚です。
そのため、明るい水面の真ん中に投げて巻いてくるより、境目のラインに沿ってジグヘッドを通したほうが反応が出やすくなります。
明るいところだけ探るのはもったいないよ。明るさが切り替わるラインを、上から下まで順番にさらってみて。
立ち位置と自分の影に気を配る
常夜灯の下では、自分の影も水面に落ちます。灯りの真下に立って足元を探ると、影が先に入ってアジが散ることがあります。少し離れた位置から境目へ投げる、という順番のほうが釣り座を長持ちさせられます。
レンジはジグヘッドの重さで作る
境目を探るときは、同じ場所を通す深さを変えながら反応を探ります。表層で出ないなら少し沈める、という調整はジグヘッドの重さで作るのが基本です。重さの決め方はアジングのジグヘッドの重さの選び方で詳しく整理しています。
ラインの選択も感度に直結します。境目での小さな触りをどこまで拾えるかは、アジングのエステルラインの選び方で扱っている号数とリーダーの組み合わせで変わってきます。
広島でアジそのものが狙える時期や、堤防の選び方は広島アジングの時期とポイント選びで扱っています。この記事は、その釣り場に立ったあとの「灯り」の話です。
同じ常夜灯まわりは、水温が下がる時期になるとメバルの釣り場にもなります。季節ごとの入れ替わりは広島のメバリングの時期とポイント選びを参考にしてください。広島湾周辺のエリア全体の見取り図は広島・瀬戸内の釣りガイドに、当日の潮回りや風の条件は釣り指数にまとめてあります。
夜のアジングで本当に必要なのは手元用のライト
集魚灯ではなく、常夜灯まわりで実際に要るのは、ジグヘッドを結んだりワームを差し替えたりするための明かりです。選ぶときの基準は3つあります。
- 両手が空くこと。ヘッドライト型かネックライト型を選びます。片手がふさがると、暗い足場でのライン処理が難しくなります。
- 必要以上に明るくしないこと。強い白色光を水面に向けると、まわりの釣り人の目も潰しますし、そもそも集魚目的と受け取られかねない使い方につながります。手元だけを照らせる光量とモードがあるかを見ます。
- 防水性能が示されていること。潮しぶきを浴びる前提の道具なので、等級が明記されているものを選びます。
明るさ(ルーメン)・防水等級・電源方式という基準そのものは釣り用ヘッドライトのおすすめと選び方で3つに整理しています。ここではアジングで常夜灯まわりに立つ、という条件に絞って見ていきます。
夜釣りを想定して、メインLEDに赤色を採用したモデルもあります。冨士灯器のゼクサス ZX-195X は、公式仕様で赤色メイン100%時に約130ルーメン、白色サブ100%時に約180ルーメン、防水性能はIPX4相当、本体質量は約50g、電源は単4形アルカリ乾電池3本または専用充電池という構成です。白色サブより赤色メインのほうが光量を抑えてあり、手元の確認に絞って使う設計になっています。
冨士灯器 ゼクサス ZX-195X
赤色メイン100%時で約130ルーメン。ジグヘッドを結ぶ手元を確認するのに足りて、必要以上に周囲を明るくしません。
楽天市場AmazonYahoo!ショッピングどのライトを使う場合でも、水面へ向けて長く照らす使い方は避けます。目的が変われば、道具が同じでもルール上の扱いが変わるためです。
ライトは足元と手元のためのものだよ。海に向けっぱなしにしないのが、まわりの人へのマナーでもあるんだ🎣
自分の釣り場のルールを調べる手順
集魚灯の扱いは都道府県ごとに違い、全国一律ではありません。次の順で確認すると早く済みます。
- 水産庁の都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法のページから、自分の県の規則を探す
- 県の水産担当課が出している遊漁ルールのページを読む(広島県なら遊漁において特に注意しておきたいルール)
- 漁港・港湾ごとのローカルルール(立入制限・駐車・時間帯)は、管理者や現地の掲示で確認する
- それでも判断がつかない道具や使い方は、県の水産担当課に直接聞く
ネット上の「○○県は禁止」といったまとめは、更新が追いついていないことがあります。最終的な根拠は、県が出している一次情報に置くのが安全です。
まとめ
- 広島県では火光を利用してする漁法が制限・禁止されており、集魚目的で水面を照らす行為は禁止漁具・漁法(規則第37条)にあたります
- 罰則は6月以下の拘禁刑、又は10万円以下の罰金。自作でも市販品でも扱いは変わりません
- 足元や手元を照らすことまで禁じられているわけではありません。線引きは「何を照らす目的か」にあります
- 自作には防水・電源・塩害・視認性という技術的なハードルもあります
- 瀬戸内のアジングは常夜灯の明暗の境目を読む釣りで、灯りは最初から現場にあります
- 用意すべきなのは集魚灯ではなく、手元用の明かりです
自作の集魚灯を組む時間があるなら、常夜灯の並びと潮の向きを頭に入れて、明暗の境目にジグヘッドを通す練習に充てたほうが、広島の夜のアジングは近道になります。
冨士灯器 ゼクサス ZX-195X
本体質量は約50g、防水性能はIPX4相当。常夜灯まわりに立つ前に用意しておくと、暗い足場でのリグ交換で困りません。
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