船宿の予約は取れた。あとは竿を決めるだけ——そこで手が止まってしまう人は多いはずです。
ダイワのアナリスター ライトゲームは、調子3種類×パワー3段階で全9アイテム。しかも全長も仕舞寸法も全機種そろえてあるので、カタログの数字を眺めても違いが浮かんできません。迷うのが当たり前の並び方をしています。
先に結論を書きます。船のライトゲームを1本でまかないたいなら、基準になるのは 73 MH-190・K です。自重100g、先径0.8mmのメガトップ穂先、錘負荷20〜100号。公式が挙げる対象魚はタチウオを筆頭に11項目で、9アイテムの中でも守備範囲を広く取った設定になっています。
- 向いている人:タチウオ・マダイ・アジ・カサゴなど、複数の釣りものを1本で回したい人
- 向いている人:軽さと穂先の感度を重視して、手持ちで誘い続けたい人
- 向かない人:100号を超えるオモリを常用する人(73 H-190・Kや82 H-190・Kの守備範囲です)
- 向かない人:置き竿でアタリを待つ釣りが中心の人(胴調子寄りの64系のほうが素直です)
ダイワ アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・K
自重100g・先径0.8mmのメガトップ穂先・錘負荷20〜100号。全9アイテムの中でも守備範囲を広く取った設定です。
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・Kの公式スペック
まず公式サイトが公表している数値をそのまま並べます。
| 項目 | アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・K |
|---|---|
| 全長 | 1.9m |
| 継数 | 2本 |
| 仕舞寸法 | 100cm |
| 標準自重 | 100g |
| 先径/元径 | 0.8mm/9.9mm |
| 錘負荷 | 20〜100号 |
| カーボン含有率 | 64% |
| 適合クランプサイズ | SSS |
| メーカー希望本体価格 | 30,000円(税抜) |
| JANコード | 4550133343810 |
注目したいのは標準自重100gと先径0.8mmの2つです。船のライトゲームロッドは手持ちで誘い続ける時間が長く、竿そのものの重さがそのまま腕の疲労に効いてきます。後半の比較表で触れますが、同クラスの競合が130g台であることを考えると、100gは軽い部類に入ります。
搭載されている技術は3つです。ネジレを抑えるX45(竿先に対して45度に傾けたカーボン繊維を巻く構造)、カーボンファイバー入りのエアセンサーシート(スリムトリガー)、そしてカーボンソリッド穂先のメガトップ。付属品はクロロプレーン製のロッドベルトです。
錘負荷の「20〜100号」は、その範囲なら無理なく扱えるっていうメーカーの目安だよ。上限ギリギリを毎回使う前提で選ばないほうがいいかも。
全9アイテムを並べると、選ぶ軸は2つしかない
アナリスター ライトゲームのラインナップを一覧にすると、この製品の性格がはっきりします。
| アイテム | 標準自重 | 先径 | 錘負荷 | 本体価格(税抜) |
|---|---|---|---|---|
| 64 S-190・K | 93g | 1.4mm | 15〜60号 | 29,500円 |
| 64 M-190・K | 95g | 1.4mm | 20〜80号 | 29,800円 |
| 64 MH-190・K | 97g | 1.5mm | 25〜100号 | 30,000円 |
| 73 M-190・K | 94g | 0.8mm | 15〜80号 | 29,800円 |
| 73 MH-190・K | 100g | 0.8mm | 20〜100号 | 30,000円 |
| 73 H-190・K | 103g | 0.8mm | 30〜130号 | 30,500円 |
| 82 M-190・K | 103g | 1.1mm | 20〜80号 | 30,000円 |
| 82 MH-190・K | 107g | 1.1mm | 30〜100号 | 30,500円 |
| 82 H-190・K | 110g | 1.1mm | 40〜130号 | 31,000円 |
表のとおり、全9アイテムで全長1.9m・継数2本・仕舞寸法100cm・適合クランプサイズSSSが共通です。つまり長さや持ち運びやすさで悩む余地はありません。選ぶ軸は「調子(64/73/82)」と「錘負荷」の2つだけです。
価格も29,500円から31,000円まで、上下1,500円の幅に収まっています(いずれも税抜の本体価格)。予算を理由にグレードを下げる、という選び方が成立しない価格設計です。だからこそ、値段ではなく自分の釣りに合う調子で選ぶのが素直だと思います。
なお適合クランプサイズはSSSです。船縁に竿を固定するロッドキーパー側の受けサイズと合うかどうかは、買う前に確認しておきたいところです(船釣りロッドキーパーの選び方で竿受けサイズの見方をまとめています)。
73系だけがメガトップ穂先|先径0.8mmが意味すること
公式サイトは「軽量・高感度設計 メガトップ穂先(73のみ)」と明記しています。この記載はスペック表の数値でも裏づけが取れます。先径を調子ごとに並べると次のとおりです。
- 64系:1.4〜1.5mm
- 73系:0.8mm
- 82系:1.1mm
73系だけがはっきり細くなっています。メガトップは繊維と樹脂が均一に分散したカーボンソリッド素材で、公式の説明によれば通常のカーボンソリッドより強度が高く、細くて柔らかい穂先を作れるとされています。手に伝わる感度(手感度)だけでなく、穂先の動きで見るアタリ(目感度)にも効くという位置づけです。
調子の数字は、竿のどのあたりから曲がるかを表した目安です。一般に64は胴に近いところから、82は穂先寄りから曲がる設計とされ、73はその中間にあたります。エサを一定に見せたい釣りでは胴から曲がる調子が、掛けにいく釣りでは先調子が有利になりやすい、と説明されることが多い部分です。
調子の数字は「どこから曲がるか」の目安だよ。64は胴のあたりから、82は穂先寄りから曲がるイメージで見てみて🎣
公式が挙げている 73 MH-190 の対象魚は、タチウオ・ヒラメ・メジロ(ワラサ)・ライト落とし込み・アマダイ・カサゴ・アジ・イサキ・マダイ・タイラバ・ライトジギングの11項目。先頭がタチウオという並びは、瀬戸内で秋に船を予約する人にとって分かりやすい目印になります(タチウオテンヤ船釣り初心者ガイドで仕掛けと誘い方をまとめています)。
実釣インプレ|使ってみて分かったこと
私がこの竿を使うときは、電動リールのシーボーグ100JL、またはカウンター付きベイトリールのライトゲーム X IC 150L-DHと組み合わせることが多いです。100gの竿に小型リールという軽い組み合わせなので、一日誘い続ける釣りでも構えていて楽です。
使い込んで一番感じているのは、やはり守備範囲の広さです。こだわらなければ、瀬戸内海の船釣りのほぼすべての釣り方をこれ1本でこなせるのではないか、と思えるくらいです。錘負荷20〜100号という幅が、実際の釣り座でそのまま効いてきます。
私は船に竿を2本持ち込むのですが、この竿はいつもその1本に選ばれます。本命が釣れずに途中で釣りものを変える場面でも、この竿なら次の釣りにそのまま対応できることが多く、「とりあえず持っていけば何とかなる」という安心感があるからです。
ダイワ アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・K
公式の対象魚はタチウオを筆頭に11項目。軽いオモリの釣りから落とし込みまで、同じ1本で追える設定です。
メリット3つとデメリット2つ
メリット1:同クラスでは軽い100g
同じ全長1.9mで比べられるシマノ ライトゲーム SS 73 MH190が135g、全長1.95mのライトゲーム BB 73MH195が139g。これに対して 73 MH-190・Kは100gです。35gという差は、数字で見ると小さく感じるかもしれません。ただし船のライトゲームは半日から一日、竿を持ったまま誘い続ける釣りです。持ち重りの差は時間とともに効いてきます。
メリット2:軽いオモリから重いオモリまで1本で追える
公式が 73 MH-190 に挙げている対象魚は11項目。これは9アイテムの中で最も多い数で、73 M-190・82 MH-190と並びます。ただし中身が違います。73 M-190 が「ライトアジ・ライトタチウオ・ライトアマダイ」のように軽い釣りに寄っているのに対し、73 MH-190 はタチウオ・メジロ(ワラサ)・ライト落とし込みといった、もう少し負荷のかかる釣りまで含んでいます。錘負荷20〜100号という幅が、そのまま対象魚の性格に出ている形です。
メリット3:価格が抑えられている
メーカー希望本体価格は30,000円(税抜)。同じ調子・同じパワー設定の競合と比べると、比較表のとおり3,000円ほど低い設定です。3万円前後の船竿としては、スペック表に並ぶ内容が素直だと感じます。
デメリット1:カーボン含有率は競合より低い
73 MH-190・Kのカーボン含有率は64%で、シマノのライトゲームSS(80.6%)やBB(90%)より数値としては低くなります。ただし、実際の自重はこの3機種で最も軽いのが本機です。含有率は素材構成を示す指標であって、そのまま感度や強度の順位を表すものではありません。カタログの含有率より実際の重さで判断したい人にとっては、気にならない項目だと思います。
デメリット2:電動リールの装着に制限がある
次の見出しで詳しく書きますが、ダイワ電動リールは300サイズまでの使用が推奨で、しかも同じ300サイズでも装着できない機種があります。200番以下の小型電動やベイトリールを合わせる人には影響しませんが、手持ちの電動リールが決まっている人は購入前の確認が必要です。
アナリスター ライトゲームとシマノ ライトゲームSS・BBを比較
同じ「73調子・MHクラス・2ピース」で比べられる競合として、シマノのライトゲーム SSとライトゲーム BBを並べます。
| 項目 | ダイワ アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・K |
シマノ ライトゲーム SS 73 MH190 |
シマノ ライトゲーム BB 73MH195 |
|---|---|---|---|
| 全長 | 1.9m | 1.90m | 1.95m |
| 継数 | 2本 | 2本 | 2本 |
| 仕舞寸法 | 100cm | 98.5cm | 101cm |
| 標準自重 | 100g | 135g | 139g |
| 先径 | 0.8mm | 1.0mm | 1.2mm |
| 錘負荷 | 20〜100号 | 20〜80号 | 20〜80号 |
| カーボン含有率 | 64% | 80.6% | 90% |
| リールシート位置 | 非公表 | 410mm | 421mm |
| 左右の品番分け | なし | あり(RIGHT/LEFT) | なし |
| 本体価格 | 30,000円(税抜) | 33,000円 | 22,000円 |
並べてみると、性格の違いがはっきり出ます。振り分けるとこうなります。
- 軽さと穂先の細さを優先したい人はアナリスター 73 MH-190・K。自重・先径ともに3機種で最も小さい数値です。
- リールシートの作り込みを重視する人はライトゲーム SS。右巻き・左巻きで品番が分かれており、リールシート位置も公表されています。
- 予算を2万円台前半に抑えたい人はライトゲーム BB。ただし全長が1.95mとやや長く、自重も139gになります。
なお、この比較表の価格はダイワ側のみ公式に「税抜」と明記されています。シマノ側は公式サイトの価格表に税抜・税込の記載がないため、公式の表記をそのまま載せました。実際の販売価格は各販売ページでご確認ください。
電動リールの装着には制限がある
この竿を検討するうえで、いちばん見落とされやすいのがここだと思います。公式サイトには次の注意書きがあります。
- ダイワ電動リールは300サイズまでの使用を推奨
- 300サイズのうち、スーパータナコンX300W・マグマックス300・シーボーグ300は装着できない
- シーボーグ300MJ・シーボーグ300J・シーボーグ300FB・シーボーグ300メガツインは装着可能
- 400サイズ以上は、シーボーグ400Jを除き、製品によりフット部に厚みがあるため装着できない
ポイントは、同じ「300」でも機種名によって可否が分かれていることです。番手の数字だけで判断できません。手持ちのリール、あるいは買おうとしているリールがこの一覧に名前が挙がっていない場合は、購入前に販売店かメーカーへ確認するのが確実です。
400サイズが付かない理由は「フット部の厚み」だって公式に書いてあるよ。番手の数字だけじゃなくて、機種名まで見て確かめてね。
これから電動リールを揃える段階なら、竿とリールの組み合わせを先に決めてしまうほうが手戻りがありません(電動リール初心者の選び方にチェックポイントをまとめています)。
よくある質問
Q1. 初心者が最初の1本に選んでも大丈夫?
大丈夫です。というより、実はこの竿は私自身の1本目の船竿でもあり、最初の1本としておすすめできます。公式の対象魚が11項目と広く、錘負荷も20〜100号と幅があるため、最初は釣りものが定まらない初心者の時期にこそ、この守備範囲の広さが効きます。1本目で釣りの幅を確かめて、通いたい釣りが固まってから2本目で専用寄りの調子を足す、という順番が組みやすい竿です。
Q2. 73 M-190 と 73 MH-190 はどちらを選ぶ?
錘負荷が分かれ目です。M は15〜80号、MH は20〜100号。軽いオモリのライトアジやライトタチウオが中心なら M、タチウオテンヤや落とし込みのように重めのオモリを使う場面が入ってくるなら MH という切り分けになります。自重の差は6g(94g/100g)です。
Q3. タイラバにも使える?
公式の対象魚一覧に「タイラバ」が入っています。ただし、タイラバ専用ロッドは巻き合わせに適した専用の調子で作られているため、タイラバだけを本格的にやるなら専用竿のほうが向きます。1本で何でも回したいときの選択肢として考えるのが自然です。
まとめ
アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・Kは、自重100g・先径0.8mmのメガトップ穂先・錘負荷20〜100号という組み合わせで、全9アイテムの中でも守備範囲を広く取った1本です。
ラインナップは全長も仕舞寸法も共通なので、選ぶときに迷うのは調子と錘負荷だけ。価格差も1,500円しかありません。複数の釣りものを1本で回したいなら 73 MH、軽いオモリ中心なら 73 M、重いオモリを常用するなら 73 H という並びで考えると整理しやすいと思います。
購入前に確認しておきたいのは、合わせる電動リールが公式の装着可否リストでどう扱われているか、その1点です。
ダイワ アナリスター ライトゲーム 73 MH-190・K
ラインナップは全長も仕舞寸法も共通で、価格差は1,500円。あとは調子と錘負荷を決めるだけです。



