シーバス釣りを始めようと釣具店のロッド売り場に行くと、長さも硬さも値段もばらばらな竿が並んでいて、どれを選べばいいのか分からなくなりがちです。初心者のロッド選びでよくある失敗は、見た目や値段だけで決めてしまい、通う釣り場に対して短すぎる、あるいは硬すぎる1本を選んでしまうことです。
この記事では、シーバスロッド初心者が最初の1本を選ぶときの基準を「長さ・硬さ・適合ルアーウェイト」の3点で整理し、その基準に当てはまる入門モデルを3本紹介します。エギングや青物など、シーバス以外の釣りにも使えるのかという疑問と、リールやラインの合わせ方、広島湾で使う場合の考え方もあわせて解説します。
先に結論を知りたい方のために、この記事で紹介する3本をまとめておきます(最新の仕様・価格は販売ページでご確認ください)。
結論|最初の1本はこの3本から
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
シーバスロッド初心者が見るべき3つの基準|長さ・硬さ・適合ルアーウェイト
シーバスロッドのスペック表には多くの数字が並びますが、初心者が最初に見るべきなのは次の3つです。
| 基準 | 表記の例 | 何が決まるか |
|---|---|---|
| 長さ(レングス) | 9’0″(9フィート) | 飛距離と取り回し。1フィートは約30cm |
| 硬さ(パワー) | L・ML・M・MH | 扱えるルアーの重さと、魚とのやり取りの余裕 |
| 適合ルアーウェイト | 10〜30g など | 快適に投げられるルアーの重さの範囲 |
型番にはこの情報がまとめて入っていることが多く、たとえばシマノの「S90ML」は9フィート0インチ(90)のML(ミディアムライト)、メジャークラフトの「FCS-962ML」は9フィート6インチ(96)・2本継ぎ(2)のMLを表しています。
3つは互いに関係しており、長いロッドほど遠くへ投げやすく、硬いロッドほど適合ルアーウェイトの上限が上がります。
型番の数字は、長さと硬さの「名札」みたいなものなんだよ。まずは「90」や「ML」の部分だけ読めればだいじょうぶ。
長さの選び方|初心者は9〜9.6フィートを基準にする
シーバスを狙う釣り場は、港湾・小中規模の河川・河口・干潟・サーフと幅広く、釣り場によって向く長さが変わります。目安は次のとおりです。
| 長さ | 向く釣り場 | 特徴 |
|---|---|---|
| 8フィート台 | 港湾の岸壁、小規模河川 | 取り回しがよく、狙った場所へ正確に投げやすい |
| 9〜9.6フィート | 港湾、河口、堤防、中規模河川 | 飛距離と扱いやすさのバランスがよく、守備範囲が広い |
| 10フィート以上 | サーフ、大規模河川、足場の高い堤防 | 遠投に向くが、重さが増し、振り抜ける場所を選ぶ |
初心者の最初の1本は、9〜9.6フィートを基準にすると失敗しにくくなります。この長さなら港湾から河口、堤防までひと通りこなせるため、通う釣り場が決まっていない段階でも使い道に困りません。メーカーの説明でも、シマノはムーンショットS90MLを港湾や小中規模河川に、メジャークラフトはFCS-962MLを河川やサーフでの遠投に向くモデルとしています。
通う場所がはっきり決まっているなら、その釣り場に合わせて長さを寄せても構いません。港湾の岸壁や小さな川が中心なら8フィート台、サーフや大きな河川が中心なら10フィート前後が候補になります。
硬さの選び方|MLを基準に、使うルアーの重さで決める
硬さは、柔らかい順にL(ライト)→ML(ミディアムライト)→M(ミディアム)→MH(ミディアムヘビー)と表記されます。硬いほど重いルアーを投げられ、大きな魚とのやり取りにも余裕が出ますが、軽いルアーは投げにくく、動かしにくくなります。
シーバス釣りでよく使うのは、7〜12cm前後のミノーやシンキングペンシル、30g前後までのバイブレーションです。この範囲に合わせやすいのがMLで、港湾や河口を中心に考えるならMLを基準にするとよいでしょう。30gを超えるメタルジグや大きめのルアーを投げる機会が多いなら、Mが候補になります。
最終的な判断は、ロッドに書かれた適合ルアーウェイトで行います。自分がよく使うルアーの重さが、その範囲の中ほどに収まっているかを確認してください。範囲の上限ぎりぎりのルアーばかり使うと、投げにくさやロッドへの負担が大きくなります。
「硬いほうが丈夫で安心」とは限らないんだよ。軽いルアーが投げにくくなるから、まずはMLから考えてみてね。
シーバスロッド初心者におすすめの3モデル
ここからは、ここまでの基準(9〜9.6フィート・ML)に当てはまる入門モデルを、メーカーごとに3本紹介します。
| モデル | 長さ・硬さ | 向いている人 |
|---|---|---|
| メジャークラフト ファーストキャスト シーバス FCS-962ML | 9’6″・ML | 費用を抑えて始めたい人 |
| シマノ ムーンショット S90ML | 9’0″・ML | 港湾・河川が中心の人 |
| ダイワ シーバスフラットX 96ML | 9’6″・ML | サーフまで釣り場を広げたい人 |
ダイワとシマノ、どっちを選ぶ?
初心者のロッド選びでは「ダイワとシマノのどちらがいいか」で迷う人も多いですが、最初の1本ではメーカーより、長さと硬さが通う釣り場と使うルアーに合っているかを優先してください。同じ9フィート前後・MLであれば、どちらのメーカーを選んでも使える場面は大きく変わりません。
そのうえで迷うなら、リールと同じメーカーでそろえる、店頭で持ったときの重さやグリップの感触で決める、といった選び方で十分です。
費用を抑えて始めるならメジャークラフト「ファーストキャスト シーバス FCS-962ML」
メジャークラフトのファーストキャスト シーバスは、8.6フィートから10フィートまで全6機種がそろう入門シリーズです。FCS-962MLは9.6フィート・2本継ぎで、適合ルアーは10〜30g、適合PEラインは0.8〜2.0号。メーカーは遠投性能に優れ、河川やサーフでのシーバスやフラットゲームに向くモデルと説明しています。
同じシリーズには9フィートのFCS-902MLもあり、こちらはメーカーがこれからシーバスを始めたい人に勧めているモデルです。港湾の岸壁が中心なら902ML、河川や開けた場所で飛距離がほしいなら962MLと考えると選びやすくなります。
メジャークラフト ファーストキャスト シーバス FCS-962ML
9.6フィート・MLで適合ルアーは10〜30g。シーバスでよく使うルアーの重さをひと通りカバーでき、遠投しやすい長さです。
迷ったらシマノ「ムーンショット S90ML」
シマノのムーンショットは、軽量プラグ向けのLから60g級のメタルジグに対応するMHまで、全12アイテムを展開するショアキャスティングロッドです。ブランクスにはシマノ独自の強化構造「ハイパワーX」を採用し、ブレを抑えたシャープな操作性をうたっています。
S90MLは9フィート・MLのモデルで、メーカーは7〜12cmクラスのミノーやシンキングペンシル、30gクラスまでのバイブレーションなどに合わせたアイテムとし、港湾や小中規模河川に向くと説明しています。この記事の基準にいちばん素直に当てはまる1本です。
シマノ ムーンショット S90ML
9フィート・MLで、7〜12cmクラスのミノーや30gクラスまでのバイブレーションに合わせた設計です。港湾や小中規模河川で扱いやすい長さです。
長く使うならダイワ「シーバスフラットX 96ML」
ダイワのシーバスフラットXは、名前のとおりシーバスとフラットフィッシュ(ヒラメ・マゴチ)の両方を狙えるように作られたシリーズで、86MLから100Mまで全5機種があります。バット部をカーボンテープでX状に締め上げる「ブレーディングX」でねじれを抑え、糸がらみしにくいKガイドを備えています。
96MLは9.6フィート・MLのモデルで、港湾や河口に加えてサーフまで釣り場を広げたい人に向いています。湾内のシーバスから始めて、いずれは砂浜のヒラメにも挑戦したい人の1本目の候補です。
ダイワ シーバスフラットX 96ML
シーバスとヒラメ・マゴチの両方を想定したシリーズの9.6フィート・MLです。湾内から始めて、いずれ砂浜にも立ちたい人に向きます。
シーバスロッドは万能?エギング・青物・サーフへの流用
シーバスロッドは、シーバス以外の釣りにも使いやすいロッドです。最初の1本に選ばれることが多いのは、この守備範囲の広さも理由のひとつです。メーカーの説明でも、メジャークラフトはファーストキャスト シーバスの機種ごとに、メタルジグでのサバやサゴシ狙い、ワームでのヒラメや根魚狙い、ちょい投げやサビキ釣りといった使い道を挙げており、シマノもムーンショットをシーバスだけでなくヒラメや青物に対応するロッドとしています。
| 流用先 | 使えるかの目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| ライトショアジギング(サバ・サゴシなど) | 使うメタルジグの重さが適合ルアーウェイトに入る | 40g以上のジグを多用するならショアジギング用ロッドが向く |
| サーフのヒラメ・マゴチ | 9.6フィート以上で遠投しやすい | 港湾向けの短めのモデルでは飛距離が足りないことがある |
| エギング(アオリイカ) | エギの重さが適合ルアーウェイトに入る | 長いぶんシャクリで疲れやすい |
| ちょい投げ・サビキ釣り | 軽めの仕掛けなら使える | 重いオモリは適合範囲を超えやすい |
シーバスロッドでエギングはできる?
シーバスロッドでのエギングは、使うエギの重さ(パッケージに表記されています)がロッドの適合ルアーウェイトに収まっていればできます。ただし、エギングロッドは8.0〜8.6フィートが主流なのに対し、シーバスロッドは9フィート前後より長いものが多く、長いぶんシャクリを繰り返すと重さを感じやすくなります。エギングロッドはエギを跳ね上げやすいように作られているため、同じ操作でもシーバスロッドのほうがエギの動きが鈍くなりがちだといわれます。
秋の小型のアオリイカを試しに狙う程度ならシーバスロッドでも十分ですが、エギングを本格的に続けるなら専用ロッドを検討するとよいでしょう。選び方はエギングロッド初心者の選び方で解説しています。青物の季節の流れは瀬戸内のショアジギングで青物が釣れる時期を参考にしてください。
ロッドと合わせるリールとライン
ロッドが決まったら、リールとラインもロッドに合わせて選びます。初心者が最初にそろえる目安は次のとおりです。
- リール:港湾や小規模河川が中心なら3000番、大規模河川や干潟が中心なら4000番のスピニングリールが基準です。番手の違いはシーバスリールの番手の選び方で解説しています。
- PEライン:0.8〜1.2号が基準で、最初の1巻きなら1号が無難です。詳しくはシーバスのPEライン号数の選び方を参考にしてください。
- リーダー:フロロカーボンの16〜20lb(4〜5号相当)を1〜1.5mほど結びます。岸壁や障害物にこすれたときのライン切れを防ぎます。
- スナップ:ルアーの交換を素早くするための小さな金具です。
ラインの太さは、ロッドの適合PEラインの範囲に収まっているかも確認しておきましょう。たとえばFCS-962MLの適合PEラインは0.8〜2.0号なので、1号前後のPEラインなら範囲の中に入ります。
広島湾で使うなら|港湾と河口を基準に9フィート前後・ML
広島湾は、市街地に面した港湾部、川が流れ込む河口部、島に囲まれた沖向きの堤防が近い距離に並んでいるエリアです。港湾部や河口部が中心になるなら、9フィート前後・MLのロッドがそのまま基準になります。岸壁の際や係留船のまわりを正確に狙う場面が多いため、長すぎるロッドより、取り回しのよい長さのほうが扱いやすいからです。
一方、開けた沖向きの堤防や砂浜から遠投したい場合は、9.6フィート以上が候補になります。広島湾のシーバスの季節ごとの狙い目と夜釣りの時間帯は広島湾のシーバス夜釣りの時期で、当日の潮の動きは広島 陸釣り指数で確認できます。広島・瀬戸内で季節ごとに狙える魚は広島・瀬戸内の海釣りガイドにまとめています。
夜の釣りや足場の高い堤防では、ライフジャケットの着用も忘れないでください。
夜の護岸は足もとが暗いから、長い竿ほど周りにぶつけやすいんだよ。移動するときは穂先に気をつけてね。
釣具専門の品揃えからシリーズを横断して比較したい方は、こちらも参考にしてください。
▶ アウトドアとフィッシングの専門店【ナチュラム 】
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まとめ|シーバスロッド初心者は9〜9.6フィート・MLから選ぶ
シーバスロッド初心者が最初の1本を選ぶときのポイントを振り返ります。
- シーバスロッドは「長さ・硬さ・適合ルアーウェイト」の3点で選ぶ
- 最初の1本は9〜9.6フィート・MLを基準にすると、港湾・河口・堤防まで幅広く使える
- 最終判断は適合ルアーウェイトで行い、よく使うルアーの重さが範囲の中ほどに入るかを確かめる
- メーカーで迷ったら、長さと硬さが通う釣り場に合っているかを優先する
- エギングやライトショアジギングにも流用できるが、本格的に続けるなら専用ロッドも検討する
- リールは港湾中心なら3000番、PEラインは1号前後が基準
最初の1本で迷ったら、この記事の基準にそのまま当てはまるモデルから選ぶのが近道です。
シマノ ムーンショット S90ML
港湾から小中規模河川まで、この記事の基準(9フィート・ML)にそのまま当てはまる1本です。まずはこの長さと硬さで釣り場に立ってみてください。



