ショアジギングを始めるとき、ロッドとリールは何とか決まっても、PEラインの号数で手が止まる人は多いのではないでしょうか。売り場には0.8号から3号までが並び、「細いほうが飛ぶ」「太いほうが安心」という相反する説明が同時に成り立ってしまうからです。
結論から言えば、号数はジグの重量・ロッドの適合表示・狙う魚と釣り場の3つで絞り込めます。この記事では、その手順と、意外と知られていない「号数と強度は別物」という前提を、メーカーの公表値を見ながら整理します。
結論|ショアジギングのPEラインはこの2本から
シマノ ピットブル8+
- 8本編み
- 0.4〜2号
- 150m/200m
1.5号で最大強力31.8lb(14.4kg)。ライトショアジギングからショアジギングの入口までをカバーする号数帯です。
ダイワ UVF PEデュラセンサー×8+Si2
- 8本編み
- 0.4〜12号
- 5C/ライムグリーン
号数展開が広く、太さを変えて試す段階でも同じシリーズで揃えられます。
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
ショアジギングのPEライン号数は1.5号を基準に考える
まず全体像です。ひと口にショアジギングと言っても、扱うジグの重さによって別の釣りと言えるほど負荷が変わります。号数の目安は次のように整理できます。
| 釣りのスタイル | ジグの重量 | PEラインの目安 |
|---|---|---|
| ライトショアジギング | 20〜40g | 1〜1.2号 |
| ライトショアジギング(中型も想定) | 40〜60g | 1.2〜1.5号 |
| ショアジギング | 60〜100g | 2〜3号 |
| 磯・大型狙い | 100g以上 | 3号以上 |
迷ったときの出発点として1.5号を挙げたのは、次の3つを同時に満たしやすい号数だからです。
- 出番の多い40〜60gのジグを扱える
- ハマチ・メジロクラスの青物とやり取りする余裕がある
- 4000番前後のリールに200m以上巻ける
20〜40gのジグが中心のライトショアジギングなら、1〜1.2号まで落として飛距離を稼ぐ選択も現実的です。逆に磯で大型を狙う釣りは3号以上の世界で、ロッドもリールも道具立てごと変わってきます。まずは自分がどの行に当てはまるかを決めるのが先決です。
号数は太さの目安であって強度の規格ではない
号数選びで誤解されやすいのがここです。「1.5号なら何kgまで耐えられる」という業界共通の規格はありません。試しに、各社が公式サイトで公表している数値を並べてみます。
| 号数 | シマノ ピットブル8+(最大強力) | ダイワ UVF PEデュラセンサー×8+Si2(強力) |
|---|---|---|
| 1.2号 | 27.1lb/12.3kg | 21lb/9.6kg |
| 1.5号 | 31.8lb/14.4kg | 26lb/12kg |
| 2号 | 43lb/19.5kg | 35lb/16kg |
同じ1.5号でも、公表値には2kg以上の開きがあります。さらに注意したいのは表記の基準です。シマノのスペック表は「最大強力」、ダイワは「強力」と、見出しそのものが揃っていません。どちらが優れているという比較ではなく、そもそも同じ土俵の数字として並べられないという点が重要です。
そこで実用的なのは二段構えの見方です。号数は「リールに何m巻けるか」「どのくらいの太さか」を測る指標として使い、強さはパッケージのlb(ポンド)表示で確認する。1lbは約0.45kgなので、30lbならおよそ13.6kgと換算できます。同じ号数の製品で迷ったときは、号数ではなくlb表示を見比べると判断しやすくなります。
上の表で挙げたシマノのピットブル8+は、0.4号から2号までを展開する8本編みのPEラインです。ライトショアジギングからショアジギングの入口までをちょうどカバーする号数帯で、巻き量は150m(品番LD-M51T)と200m(LD-M61T)から選べます。
シマノ ピットブル8+
同じ1.5号でもメーカーによって強度は違うよ。号数だけで比べないで、パッケージのlb表示まで見るのがコツなんだ。
ジグの重量とロッドの適合表示から絞り込む
候補が絞れたら、次はロッド側の制約と突き合わせます。ショアジギングロッドには「適合ライン PE1〜3号」といった表示があり、これが実質的な上限と下限になります。適合表示を超えた太さを巻くと、ラインが先に切れずにロッドやガイドへ負荷が回るため、表示の範囲内から選ぶのが前提です。
見落としやすいのは、ラインに最大の負荷がかかるのは魚とのやり取りではなくキャストの瞬間だという点です。60gの金属の塊を振り抜くとき、ラインには静止状態とは比べものにならない力が一瞬でかかります。「魚の重さ」だけを基準に号数を決めると、魚に出会う前にキャスト切れでジグを海へ置いてくることになりかねません。
ジグの重量から見た号数のバランスは、次のように考えると整理しやすくなります。
- 40gまで:1〜1.2号。飛距離が伸びる一方、キャスト時の垂らしや振り抜き方は丁寧に
- 40〜60g:1.2〜1.5号。汎用性が高く、最初の1本に選びやすい帯
- 60〜100g:2〜3号。ロッドもラインもこの重量に対応したものを揃える
ルアーの重さに号数を合わせる考え方は、ジグのカラーや形状の選択とも地続きです。ジグ側の選び方はメタルジグのカラー選び方で詳しく整理しています。
釣り場の地形と足場の高さで太さを足す
同じジグ・同じ魚を相手にしても、釣り場によって必要な太さは変わります。分かれ目は「ラインが何かに触れる可能性があるかどうか」です。
- 砂浜・障害物の少ない堤防:上の基準どおりで問題ありません
- テトラ帯・足場の高い堤防:取り込みでラインが構造物に擦れやすいため、1ランク太い号数が安心です
- 磯:牡蠣殻や根が常につきまといます。号数だけでなくリーダーの長さも合わせて見直します
PEラインは引っ張る力に強い反面、擦れには弱い素材です。地形のリスクをすべて号数で背負おうとすると、太くなりすぎて飛距離が犠牲になります。擦れ対策はリーダーと分担させるのが基本で、太さと結び方の考え方はショアジギングのリーダーの太さと結び方にまとめています。
また、瀬戸内のように季節で回遊する魚のサイズが変わるエリアでは、時期によって基準そのものを見直す必要があります。狙える魚と時期の関係は瀬戸内のショアジギングで青物が釣れる時期を参考にしてください。
号数と一緒に決めたい巻き量と編み数
号数が決まっても、選択はもう少し残っています。実釣で効いてくるのが巻き量と編み数です。
巻き量は200mを目安に。ショアジギングでは走る魚を相手にするうえ、キャストの飛距離そのものも出ます。150mでは高切れのたびに残量が心細くなり、下巻きの調整も難しくなります。リールのスプールに対して糸巻き量が足りない場合は、下巻き(ナイロンなどで底上げ)で調整します。
編み数は8本編みが扱いやすい。8本編みは断面が丸く表面が滑らかで、ガイド抜けがよく飛距離を出しやすいのが特徴です。4本編みは耐摩耗性と価格に利があり、消耗が激しい釣り場では選択肢になります。まずは8本編みから入り、消耗ペースを見て考えるのが分かりやすい進め方です。
加えて、10mごとに色が変わるマルチカラーは、どれだけラインが出ているかを把握できるため、ジグの着底や誘い直しの判断がしやすくなります。
ダイワのUVF PEデュラセンサー×8+Si2は、0.4号から12号までという幅広い号数を展開する8本編みです。ショアジギングで号数を上げていっても同じシリーズで揃えられるため、基準を決めたあとに太さだけ変えて試したい場合に扱いやすくなっています。カラーは棚を把握しやすい5C(マルチカラー)と、視認性の高いライムグリーンが用意されています。
ダイワ UVF PEデュラセンサー×8+Si2
号数選びでよくある失敗
最後に、選んだあとに起こりがちなつまずきをまとめます。
- 細すぎて高切れが続く:飛距離を優先しすぎたケースです。キャスト切れが起きるようなら、まず号数を上げるより垂らしの長さと振り抜き方を見直し、それでも続くなら1ランク上げます
- 太すぎて飛ばない:安心を求めて太くすると、飛距離とリールの糸巻き量の両方を失います。ロッドの適合表示の上限に張り付いていないか確認しましょう
- 劣化に気づかない:PEラインは紫外線と摩擦で確実に傷みます。毛羽立ちや色抜けが出た部分は切り捨て、先端側の数メートルは釣行ごとに点検するのが安全です
- 結束が号数に見合っていない:ラインを太くしても、リーダーとの結束が弱ければそこから切れます。号数を上げるときは結束方法もあわせて見直します
ここ、初心者がいちばん悩むところだよ。細くして飛ばすか太くして安心するかは、好みじゃなくて釣り場の地形で決まるんだ。
結論|ショアジギングのPEラインはこの2本から
シマノ ピットブル8+
- 8本編み
- 0.4〜2号
- 150m/200m
ここまで紹介した内容を実践するなら、まずはこの1点から揃えてみてください
ダイワ UVF PEデュラセンサー×8+Si2
- 8本編み
- 0.4〜12号
- 5C/ライムグリーン
号数展開が広く、太さを変えて試す段階でも同じシリーズで揃えられます。
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
まとめ
ショアジギングのPEライン号数は、次の順番で決めると迷いません。
- 使うジグの重量帯を決める(40〜60gなら1.2〜1.5号が基準)
- ロッドの適合ライン表示の範囲に収まっているか確認する
- 釣り場が磯・テトラ帯なら1ランク太くする
- 号数が同じ製品で迷ったら、lb表示で強さを見比べる
号数は太さの目安であって強度の規格ではない——この前提を持っておくと、パッケージの数字に振り回されずに選べるようになります。まずは1.5号・200m・8本編みを基準に一本用意し、通う釣り場と狙う魚に合わせて上下させていくのが、遠回りのない進め方だと思います。



