ショアジギングで青物が掛かったとき、最後に釣果を分けるのがランディング(取り込み)です。堤防では足場が高いことが多く、抜き上げようとしてラインが切れたり、口切れでバラしたりする場面は珍しくありません。それを防ぐのがランディングネットですが、いざ買おうとすると柄の長さも枠の形もばらばらで、何を基準に選べばよいのか分かりにくい道具でもあります。この記事では、ショアジギングのランディングネット選びを、柄の長さ・枠サイズ・重さの3つの基準に整理して解説します。筆者自身が使っているセットの実寸も交えながら、購入前に確認しておきたい点をまとめました。
結論|堤防の青物なら5m級のセットから
メジャークラフト ファーストキャスト ランディングシャフトセット LSFC-600
- シャフト長550cm
- フレーム55×47cm
- 柄・枠・網の3点セット
筆者が使っているのは同シリーズでシャフト455cmのLSFC-500です。足場の高い堤防を主戦場にするなら、同じ設計で1本長い550cmのこちらが選びやすくなります(ホルダーとランディングジョイントは別売りです)
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
なぜショアジギングにランディングネットが要るのか
ハマチクラスの青物でも、体重は1〜2kgを超えてきます。この重さを堤防の上まで直接引き上げる「抜き上げ」は、ライン・ノット・ロッドのすべてに一気に負荷が掛かる動作です。水中では魚の重さが浮力で相殺されていますが、水面から出た瞬間に全体重がタックルに乗ります。しかも魚は暴れるため、瞬間的な負荷はさらに大きくなります。
筆者がランディングネットを用意したのも、釣りを始めて間もないころにチヌを掛け、抜き上げに苦労したのがきっかけでした。足元まで寄せるところまでは順調でも、そこから上へ持ち上げる工程だけは別物の難しさがあります。寄せる技術と、上げる技術は別だと考えたほうが安全です。
抜き上げが原因のトラブルとしてよくあるのが、リーダーの結束部からの高切れ、フックが伸びる・折れる、口切れによる落下です。せっかく寄せた魚を最後の数秒で失うことになるため、ある程度のサイズを狙う釣りではネットは保険ではなく必需品と考えたほうがよいでしょう。
もうひとつの理由がリリースのしやすさです。抜き上げは魚体へのダメージが大きく、サイズが小さい個体を再放流したい場合にも不利になります。ラバーコートのネットであれば魚のぬめりや体表を傷めにくく、フックが網に絡みにくいという扱いやすさもあります。
基準1:柄の長さは足場の高さで決まる
もっとも重要で、もっとも間違えやすいのが柄(玉の柄・ランディングシャフト)の長さです。判断基準はシンプルで、釣り座の水面から足元までの高さ+余裕です。
一般的な堤防では、水面から堤防上まで2〜4m程度あることが多く、そこに魚を掬うための取り回しの余裕が必要になります。そのため、堤防のショアジギングでは5m前後(500クラス)が基準とされ、足場が高い大型の護岸や潮位が低い時間帯を考えると6m(600クラス)が選ばれることもあります。
ここで購入前に必ず確認したいのが、品番の数字と実際のシャフト長は一致しないということです。筆者が使っているメジャークラフトのファーストキャスト ランディングシャフトセットは品番がLSFC-500ですが、メーカーが公表しているシャフト長は455cmです。同じシリーズでもLSFC-400が360cm、LSFC-600が550cmという設定になっており、「500だから5m」と考えて選ぶと、想定より短い柄を買うことになります。数字の並びではなく、カタログに書かれたシャフト長そのものを見て決めてください。
一方で、2〜3m台の短い柄は、足場の低い小磯や漁港の内側、ボートなど水面が近い場面向けの長さです。ここを取り違えると「買ったのに水面に届かない」という致命的なミスマッチになります。通う堤防の高さを一度確認してから長さを決めることをおすすめします。
長い柄はそのぶん重く、伸ばしたときのしなりも大きくなります。特に6m級はカーボン素材でも先端が大きくしなるため、魚を掬う瞬間の操作にはある程度の慣れが必要です。迷ったときは、通う場所の大半をカバーできる5m級から入るほうが扱いやすいでしょう。
柄の長さは最優先だよ。届かなかったら、枠の大きさも軽さも全部意味がなくなっちゃうんだ。
基準2:枠サイズは狙う魚のサイズに合わせる
枠(フレーム)は大きいほど掬いやすくなりますが、大きいほど重く、水中で受ける抵抗も増えます。目安として、50cm前後の枠であればハマチ・サゴシクラスまでは対応しやすく、より大型のブリやヒラマサを視野に入れるなら60cm前後が候補になります。
筆者のセットは枠が55×47cmで、磯でコショウダイを掬ったときにはサイズ的に不足を感じる場面はありませんでした。コショウダイは体高のある魚ですが、この枠であれば頭から導いてそのまま収まります。同じ枠で細長い青物を掬う場合も、長辺方向に導ければ問題になりにくいサイズ感です。
形状は、楕円形(オーバル)と真円に近いものがあります。楕円形は魚を長辺方向に導きやすく、細長い体型の魚を掬うときに扱いやすい形です。ショアジギングで対象になる青物やサワラは細長い体型なので、楕円形のほうが相性が良いと言えます。
網の深さも見落とされがちな要素です。浅い網は掬った魚が跳ねて飛び出すことがあり、40cm以上の深さがあると安心感が増します。また、素材はラバーコートのものを選んでおくとフックが絡みにくく、暗い時間帯に魚を外す作業が格段に楽になります。なお筆者のセットの網はラバーコートではない糸網タイプで、この点は価格との引き換えになる部分です。フック絡みのストレスを最初から避けたいのであれば、ラバーコートの網が付くモデルを選ぶか、網だけを別途ラバーコート製に交換するという考え方もあります。
基準3:重さと携行性のバランス
ショアジギングは、堤防をランガン(移動しながら探る)することの多い釣りです。ネット一式は5m級で1kg前後になるため、「常に持ち歩ける形にできるか」が実用上の分かれ目になります。実際、筆者が使っている455cmのセットも、商品情報として公表されている重量は0.81kgです。数字だけ見ると軽く思えますが、これを伸ばした状態で片手で支え、さらに魚の重さが乗ると体感はまったく別物になります。
ここまでは伸ばして使う場面の重さの話ですが、携行性を決めるのはもうひとつ別の数字、縮めたときの仕舞寸法です。同じ5m級でも、仕舞寸法が70cm台に収まるものであれば背中に掛けて移動でき、車への積み込みも楽になります。柄が伸縮する振出式であれば、この寸法が製品ごとに明記されているので、購入前に必ず確認しておきましょう。
ただし、ここには実際に測ってみないと気づきにくい落とし穴があります。筆者のLSFC-500を縮めて実測したところ、シャフト単体で61cm、ランディングジョイントを装着した状態では67.5cmでした。ジョイントの分だけ6cmほど長くなります。カタログに載っている仕舞寸法はジョイントを付けていない状態の数値なので、その寸法ちょうどのロッドケースや収納スペースを用意すると、実際の携行形態では収まらないことになります。ジョイントを付けた状態の長さで収納を考えるのが確実です。

携行方法としては、タモホルダー(ベルトやバッグに柄を固定する器具)とランディングジョイント(枠を折りたたんで柄に沿わせる継手)の2点があると扱いが一変します。ジョイントがあれば枠を畳んだ状態で移動でき、掛かった瞬間に片手で展開できます。
筆者の場合は、柄・枠・網のセットを先に買い、あとからジョイントだけを買い足すという順序になりました。セット品にジョイントが含まれているかどうかは製品によって異なるため、買う前に付属品の欄を確認しておくと二度手間が避けられます。
プロックス タモジョイント(ブラック) PX864K PROX
オールインワンと単品組みはどちらを選ぶか
ランディングネットの購入方法には、柄・枠・網が最初からそろったオールインワンのセットを買う方法と、それぞれを別々に選んで組み合わせる方法があります。
セット品の利点は、規格の合う組み合わせが保証されていることと、総額が抑えやすいことです。柄と枠のネジ径が合わない、枠に対して網が小さい、といった失敗が起きません。最初の1本としては、まずセットから入るのが無難でしょう。
単品組みは、柄だけ軽量なカーボン製にする、枠だけ大型にする、といった調整ができるのが強みです。ただし規格(一般的にはネジのサイズ)を自分で確認する必要があり、初めての1本には向きません。セット品を使い込んで不満が出た部分だけを買い替えるという順序であれば、無駄が出にくくなります。筆者もセットを起点に、携行性に不満が出たタイミングでジョイントを足すという形になりました。
なお、ネットは魚を掬う道具である前に、海面に身を乗り出す動作を伴う道具でもあります。ランディング時は足元が濡れて滑りやすく、体勢も崩れやすいため、堤防であれば腰巻きライフジャケットの着用を前提にしてください。磯に立つ場合は腰巻きではなく、浮力体が上半身を覆うフローティングベストが前提になります。狙う時期の組み立ては瀬戸内のショアジギングで青物が釣れる時期、タックル全体の考え方はショアジギング入門ガイドも参考になります。
最初はセット品が無難だよ。柄と枠のネジ径が合わない、みたいな組み合わせの失敗が起きないからね。
結論|堤防の青物なら5m級のセットから
メジャークラフト ファーストキャスト ランディングシャフトセット LSFC-600
- シャフト長550cm
- フレーム55×47cm
- 柄・枠・網の3点セット
ここまで紹介した内容を実践するなら、まずはこの1点から揃えてみてください
価格・在庫は変動します。選び方の根拠は本文で解説しています。
まとめ
ショアジギングのランディングネットは、柄の長さ・枠サイズ・重さの3点で決まります。もっとも優先すべきは柄の長さで、通う堤防の足場の高さに対して届かなければ他の性能は意味を持ちません。堤防なら5m級を基準に、足場が高いなら6m級を検討し、枠は50cm前後・網の深さ40cm以上を目安にすると外しにくくなります。その際、品番の数字ではなくカタログのシャフト長を確認することを忘れないでください。最初の1本はセット品から入り、実際に使ううちに見えた不満、たとえば携行性や網の素材といった部分を、次の買い替えや買い足しの判断材料にしていくのが現実的な進め方です。



